守山市の歴史
縄文時代~弥生時代~白鳳時代~
政治・経済・文化・福祉の先駆け
守山市内で最古の生活跡が、琵琶湖総合開発事業に伴う赤野井湾浚渫工事に先立つ発掘調査で湖底から発見されました。約6千4百年前、縄文時代早期の集落跡で、集石炉や土器、石器が見つかりました。集石炉は魚や植物を蒸し焼きに調理する炉で、コイ、フナなどの骨が炭や土の中から発見されました。当時の琵琶湖が現在よりも小さかったことを示す証拠です。
昭和60年、下之郷町の弥生時代中期の集落跡である下之郷遺跡が巨大な環濠集落であることがわかりました。国内でも珍しい、東西330メートル以上、南北280メートル以上の範囲を3~9条の大きな堀のような濠が巡っていたのです。その後の調査で内部から多くの建物跡や銅剣、盾、弓、石剣、石鏃などの武器、武具が多量に出土し、戦いに備えた防御を厳重にした集落跡であったことがわかった貴重な遺跡です。
平成4年、伊勢町伊勢遺跡の東端の田んぼで、弥生時代後期の大型建物跡が発見されました。当時では国内最大の建物遺跡として注目を浴びました。平成10年までに建物形式の異なる大型建物が9棟も見つかり、この遺跡が当時のクニの中心集落であると考えられるようになりました。
平成8年、古高町の下長遺跡の川跡から船と豪族が儀式に使用する杖などが出土しました。見事な彫刻を施した飾りから有力な豪族の居住が推定されました。また、船はこの遺跡が琵琶湖から3キロ余りも内陸部にあることから、川を運河のように使用して物資の集積地となっていたことを明らかにしました。
日本書紀持統天皇8年の条に「益須郡、都賀山の麓に醴泉が湧き、益須寺に病人が停泊して療養した」という内容が記録されています。この益須寺は吉身地先に推定されこれまでに白鳳時代の瓦が多量に出土しています。
これらの遺跡が物語ることは、原始、古代においては野洲川流域が近江を代表する政治、経済、文化の発信拠点であり、福祉の先駆けが行われていたことなど、この地域が歴史の表舞台にあったことを示しています。
奈良時代~平安時代~鎌倉時代~江戸時代~
伝統行事と歴史
市内の杉江町小津、洲本町己爾乃、幸津川町下新川、吉身馬路石邊の各神社は平安時代に編さんされた延喜式神名帳に記録のある古い神社で、小津神社では、長刀まつり、下新川神社では鮒ずしを切るすし切りまつり、馬路石邊神社ではサンヤレ踊りを舞う豊年踊り、勝部神社と住吉神社では火まつり、古高町大将軍神社では雨乞いのお礼踊りである鼓踊りが行われ、それぞれ大勢の見物客が訪れます。
奈良時代には、法隆寺や大安寺の荘園が置かれ、平安時代の古今集では、守山を歌人、紀貫之が「しらつゆも しぐれもいたくもるやまの したばのこらずいろづきにけり」と詠んでいます。
鎌倉将軍の源頼朝は平治の乱に敗れて守山の地を通過しています。室町時代には蓮如が守山を拠点に真宗の教化をし、一休も矢島町少林寺に足跡を残しました。末期には足利義昭が矢島町の御所で将軍になったとされています。織田信長は安土に城を構え、湖南の水田地帯を経済基盤として天下を統一しますが、その一環として金森に楽市楽座を許可し、商工業を振興する政策を執りました。豊臣秀吉も信長に引き続いて街道を整備し、守山宿の保護育成を図りました。
寛永年間、徳川幕府から守山宿に制札が下されると、街道の整備とともに宿場が整い、朝鮮通信使が東門院で宿泊するなど、京発ち守山泊まりとして賑わい、また、花市は京、大坂にも劣らない活気があったということです。
湖岸周辺では新田開発やエリ漁が盛んになり、木浜はその親郷となり、対岸の堅田まで届くような大きなエリが設けられたほどです。
明治~大正~昭和~平成~
京阪神の近郊都市として順調な発展
明治時代にいたって、廃藩置県や区制、群制の実施など行政区画の変遷をへた後、明治22年の市制町村制施行によって、守山・物部・小津・玉津・河西・速野・中洲の7カ村ができました。そして守山村は同37年に町制を施行し、同45年に東海道本線守山駅が設置された物部村と長い論議の末、昭和16年に合併。さらに同30年、守山町と小津・玉津・河西・速野の4カ村が、また同32年に中洲村の大部分が合併して現在の市域が形成され、同45年、守山市となりました。
農業地域として栄えた守山も、この間、化学・機械・繊維などの近代工場を誘致して、しだいに工業化都市化が進みました。東海道本線の電化、琵琶湖大橋の開通など交通網もいっそう整備され、自然と文化、さまざまな産業が調和しながら発展。
古代以来、たび重なる氾濫で人々を苦しめた野洲川も、市制施行直後から進められた抜本的な改修工事でようやく落ち着くなど、守山は自然と文化に恵まれた京阪神の近郊都市として、現在にいたっています。
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